「かむろ復刻版」
ずいぶん昔、10年以上も前、かむろ復刻版(かむろ第一号1914年9月5日版)が届いた。私の曾祖父(八木兼吉)とか祖父(八木虎助)の情報が載っていないか調べてみた。しかし、カナダに移民した曾祖父母(八木兼吉、トク)の情報は見つからなかった。祖父(八木虎助)は「当地デ船大工ヲシテイマス。」の情報が載っていた。そして、「青木寅三 布哇加哇ククイ浦ニテ漁業ニ従事トノコト」に気が付いた。青木寅三は母の父の妹カメと結婚しており1939年両親の結婚式に出席していた。
私の母は5年前に亡くなったが、老人ホームを訪ねる度に沖家室島の話をしてくれた。両親の結婚式の写真が残っていて母が説明してくれた。結婚式の写真は沖家室島の八木家の庭で撮られていて多くの親戚の人が写っている。その中に寅三とカメ夫婦も写っていた。母の話ではハワイから帰郷しており多くのお土産をもらったとの事。寅三はハワイに永住するので沖家室の家屋を母の弟、古谷松好に譲って、松好は青木寅三の養子となったと聞いた。
いつかハワイを訪問してカウアイ島のククイ浦に行ってみたいとその時は漠然と思った。その後、暇な時グーグルアースでカウアイ島のククイ浦を探してみた、kukui bayは見つからなかったがkukuiula bayが見つかった。「ククイ浦」は「ククイウラ」と言う湾の事だ、「ウラ」に漢字の「浦」が丁度一致したのだと思った。
「2015年泊清寺ハワイ旅行」
5年前(2015年)の泊清寺かむろ会ハワイ旅行に参加する事になった。旅行の事を聞いた青木松好の奥さん作子さんから義父にあたる青木寅三の戒名がわかれば調べてきて欲しいと頼まれた。位牌に彫る戒名がわからないとの事だった。
旅行の最終日の前日にホノルルの浄土宗別院を訪問した。ホノルルの浄土院別院でカウアイ島から来ていたヘレン・エベスさんと偶然会うことになった。多くのハワイかむろ会の会員と一緒に昼食をとった時、彼女がカウアイ島に住んでいると聞いた。ダメ元で両親の結婚式の写真をみせて、青木寅三を指差しながらこの人を知らないかと聞いた。ヘレンさんは遠い昔の記憶だが近所に住んでいて見たことがあると答えてくれた。しかし、ヘレンさんもどういう関係があるのかわからないので調べてくれる事になった。
この旅行では、カウアイ島は訪問先には含まれていなかった。誰だか定かに覚えていないがハワイかむろ会のおばさんに「沖家室島が消滅すると騒いでいるのはあんたか」と話しかけられた。沖家室の子孫らしい話方だ感じた、そして、かむろ会のホームページを見てくれていたと嬉しく思った。
「ヘレンさんからのメール」
その後、しばらくしてヘレンさんからeメールが届いた。「あなたの探しているククイウラの青木寅三の件です。幸いにも私はククイウラで育って近所の青木寅三家族を憶えている。私は当時幼少で彼の苗字は知らなかった。ずいぶん前の事でククイウラは以前と全然違っています。カウアイ島カパア浄土院の住職聞いたところ、日本に帰国するのでコロア浄土院の住職に連絡しておくとの事でした。ククイウラはコロア地区の一部です。コロア浄土院の住職が青木寅三の件を探してくれるはずです。残念ですが今できることはこれまでです。」 私は、お礼と新しい情報がはいったら連絡が欲しいと返信しました。
又、しばらくしてヘレンさんから第2のメールが届いた。「カウアイ島に青木寅三の孫にあたるロイ・ニシタという方が訪ねてきた。あなたの事を話した、カリフォルニアの住所を連絡します。彼はコンピュータを使わないので手紙を出してください。又、私の兄弟が日本の小郡に住んでいて西村イサムといいます。(数年前に亡くなりました。)」
私はニシタさんあてに手紙をだしたが返事は来なかった。
その年の関西かむろ会に参加した時、柳原寿美恵さんと話をした。ヘレンさんは寿美恵さんの叔母さんに当たると話してくれた。そして、沖家室の磯部の叔母さんに聞いた話では寅三は磯部平吉の弟だと言う。そうすると八木さんのお母さん(アキヨ)はヘレンさんと従妹どうしになる、すごいことですねと言う。私自身は青木寅三が青木家の実子だと思っていたので、磯部寅三と青木寅三は別の人ではないかと返事した。
ヘレンさんから2年前の秋に3通目のメールが届いた。 「子供の頃、磯部家と青木家の近くにすんでいました。当時は子供で私の家は磯部家と青木家とは親戚ではないと思っていました。しかし大きくなって磯部トモが父の姉妹であることが分かりましたが青木家とは親戚関係ではないと思っていました。その後、柳原寿美恵さんの祖母古川ムメが父の妹だと知りました。私と寿美恵さんは沖家室島の松田家の子孫になります。」
関西かむろ会に参加する度に柳原寿美恵さんと話をしてホノルルに住んでいるエイミー・ヤマシタも親戚関係にあると説明された。エイミー・ヤマシタはハワイ大学で教えていたとも聞いた。しかし、私はまだ青木寅三と磯部寅三が同一人物とではないと思っていた。