okikamuro island fan club, 沖家室島ファンクラブ|Kamuro party かむろ会

ルーツ研究

松本 昭司 

松本 昭司

「鯛の里」オーナー

沖家室島はルーツ

沖家室の漁業組合

松本昭司    2024年1月8日 投稿


 岩国市場初セリで、天然真鯛4.2キロが10万9200円で落札。ご祝儀相場として、良いスタート。


 競りで思い出すのは沖家室漁協の魚の値付け、地元では「値たて」と言った。沖家室漁協も合併を重ねてきた。かつては単独の沖家室漁協だった。戦後一時は分裂したと聞いた。東和漁協沖家室支所になり、県漁協のホームページにある組織図をみると現在は県漁協→統括岩国・周防大島→東和支店→沖家室出張所。しかし現在は沖家室出張所の建物も昨年末に解体された。


 僕が小学生の頃は、ダンベーという竹製の生け簀が海に浮かんでいた。活魚運搬船「東和丸」に魚が積み込まれるのをみるのは面白かった。


 なにしろそのころは漁協がすぐそばの家に住んでいた。沖家室大橋のふもとで、海に面した家の前は1メートルくらいの道がありその下はすぐ海だった。石垣の上に家があり、前には船がつながれていた。当時は潮が引くと、干上がった。僕はそこで小学生に上がる前まで暮らしていて、その岸から3回は落ちて死にかけたと聞いた。一度は覚えている。ゴボゴボと沈みもがいていると、近所に住んでいた柳沢のオッサンに引き上げられた。心配をした近所の人が家にかけつけて、タライの湯の中でかがんでいる僕のお尻をのぞき込んでいた。「ほら、ここを切っちょる」などと話していた。子どもならがらも「観るんじゃねえ」と思った。


 話を戻そう。僕が高校生の頃は、魚の運搬は契約の水産業者だった。折り合いがつかずたびたび変わった。そのころの魚の値付けは、週に一度くらい漁協で値付けの会議が行われた。漁師数人から値たて委員が選ばれ、業者と交渉が行われた。ウチの父も値たて委員だった。値が決まったら週に一度通帳に振り込まれた。漁協への手数料は「五分の口銭」(ゴブノコウセン)と言った。5%だ。


 現在は県漁連の活魚車が運んでいるけど、値の付け方は知らない。岩国市場で初セリにかけられた魚は、釣り上げた漁師さんにはいくら入るのだろう。普段の浜値だと、5000円にも満たないだろう。


 かつては旧東和町の水揚げの7割をこの島だけで叩き出していた。そんな時代もあった。


松本昭司


          沖家室の漁業組合

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