私が東京デビューする前年昭和３３年は様々な出来事がありました。
皇太子殿下 正田美智子様の婚約内定発表、有楽町そごうを舞台に映画「有楽町で逢いましょう上映」、東京タワー開業、初の聖徳太子１万円札発行など。６６年前初の１万円札が発行されて３代目の新一万円札が７月３日に発行されました、３４年入社の私の初任給がまだ１万円ではなかったと記憶しています。
現上皇后の新居東宮御所の入札が３３年１２月２２日に行われた結果、間組１万円、大林組５１００万円、鹿島建設７２００万円、清水建設４７5０万円、大成建設４８００万円、竹中工務店６９２６万円、戸田組６８００万円 夕方のニュースで話題になり「１万円は非常識である」と世間を騒がせたが社長神部万之助は
【今回の入札にあたっては、神慮の仰せを承るべく、久能山に神詣でをしたときに天啓がひらめき、おりしも初めて発行された１万円札の聖徳太子の図柄、皇太子へと連想がつながって、金１万円という数字に到達したものである。けっしていいかげんな思いつきではない。 願わくば、この微哀を大臣はじめ高官皆さまにお取りつき賜りたい。日本人なればどなたもご理解いただけると、わたしは信じておるしだいであります。以上終わり】
合法ではあったが一晩寝ると誰かに「忠義は自分一人で独占するものではないでしょう」といさめられたか入札を取り下げ建設省に一任することで了解が成立した。
その後、苦心の末、建設省が編み出した妥協案がJV（ジョイントベンチャー）＝共同企業体方式、今はJVは一般化していますが初のJV工事となった幹事会社は清水建設で金額は最高額と最低額を除く５社の平均金額5670万円で３４年１月に着工しました。
私が、間組に就職内定したのが３４年２月でしたが沖家室では二ユースになっていませんでした。４月に任地の出張所に着任すると所長が「私はこれから本社に［東宮御所御造営処］工事部長の辞令を貰いに行く」と緊張した様子でした。
現在の、青山１丁目交差点は東宮御所の南側に元間組本社跡地に三菱地所ツインタワー、南東側にホンダ、があります。（いずれも間組施工） 三菱地所ツインタワーは御所側に窓のない建物になっています皇室の方を上から見下ろすのは不謹慎だと無窓になっています。
まだ渋沢栄一１万円札は見ていませんが最近はお札に触る機会が少なくなりました新札誕生には、色々なドラマがあるのではないかと思います。
平成6年７月１８日
古谷嘉臣
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