今年最後の草刈りをするため20日から2泊3日で帰島した。
小春日和の穏やかな一日であった。 暖かくはあったが、次に帰島で出来るのは12月の下旬であるため、こたつ、ストーブを出し冬支度を行った。
21日の昼前、恵比寿社の前で十人程度がうろうろしている姿が見えた。声を掛けると萩から来て、東和町民俗資料館を見に来たが、時間があったので沖家室に来たとのことであった。 蛭子神社を訪ね、玉垣に移住先からの名前が多いことに驚いたとのことであった。恵比寿社の前では宮本常一氏の碑文を探しているとのこと。最初は何のことか理解できなかったが、橋が架かった時の島民の感謝を表す文面が宮本氏のものであることに気づき案内をした。
午後から散歩に出る。永く新聞を配達してくれたKさんが今月で健康を理由に止めるとのことであった。後任はMさんとのことであった。翌日、彼に会い話を聞くと、毎日は無理なのでその時の対応を相談しているとのことであった。文字のない生活は考えられないので何人かが助け合いながら続けてもらいたいものである。これも島を離れている者の贅沢か・・・。
帰宅15時、私のゴールデンタイムを楽しむ。肴はいつもの生ハムとキュウイ、本は19日訃報が伝えられた詩人谷川俊太郎に弔意を示し「日々の地図」。日頃、詩集など手にしない私には手に負えない読み物であった。音読をしていると心に落ちるものもあった。彼とは小室等が彼の詩に曲を付けたLP「いま生きているということ」で出会った。その中で「生きる」という詩に〈・・・すべての美しいものに出会うということ/そして/かくされた悪を注意深くこばむこと・・・〉というフレーズがあり心に残った。以後、古本屋で彼の詩集を数冊購入した。その後、子どもの小学校の副読本でこの詩を見つけ、その本は今でも本棚にある。ストーブを付け、飲みながら、読みながらしていると寝こみ気が付けば、あたりはすっかり暗くなっていた。家室での1日が終わった。