彼岸に合わせ帰島を考えていたが天気予報が思わしくなく26日からの帰島にした。彼岸には鱶地堂の行事もあり久しぶりに帰島を考えていたが、家の周りの草刈りはやらなくてはどうしようもなくこの日に変更した。
家室も暑さは残ってはいるものの北寄りの風が心地よく、午前中は、海は潮の流れと風の向きが逆になり白波を立てる時間帯もあった。家の周りでは古い倉庫と空き地の整理が行われていた。
軽く昼食を済ませ草刈りに掛かる。2時間程度で止めにして、シャワーを浴び、私なりのゴールデンタイムとする。酒のつまみは生ハムと梨、本は沢木耕太郎の「天涯1,Ⅱ」。彼が1900年からの海外への取材や旅で撮った写真に、彼自身の文章や他の作家の文章を織り込んだ本である。最初は会社の本屋で文庫本を見つけ、その後古本屋の100円コーナーで単行本を見つけた。定価3200円の分厚い装飾の本である。彼の本はそれなりに読んで来たが、写真を見ていると本の題名は思い出せないが、その場面を描いた情景が思い出される場面がありいい気分になる。
飲んでいると海は潮の流れと風の流れが同じ方向になったのか群青に輝いた。何度も見てきた海ではあるがこんな色も見せるのかとしばらく見とれてしまう。沖では相変わらず貨物船が3,4隻北に行ったり、南に行ったり、いつもの情景をみせてくれる。シャワーを浴びたこともありそのまま眠りにつく。
翌朝、新聞を購入し帰宅していると、恵比寿社の前で広島から帰宅しているKさんに会う。 名前は知らないが家室の清掃で何回か合ったことがあり橋の基礎部に腰を掛け10分余り話をする。彼も一人で帰っていて4,5日滞在するという。私は食べるものを作ることができず2,3日が精一杯であるがたいしたものであると感心する。「Oか?」と問われ、「実です」と答える。ここで「名前はなんとおっしゃいますか」と尋ねれば済む話ではあるが、それが出来ないで今まで生きてきた。後で在住の人に話の内容から名前を尋ね知ることになる。いつものことだが・・・
朝食後、残りの草刈りを行う。不思議なもので以前からあった空き地の草と、新たに空き地になった草の種類が異なるような気がする。新たな空き地の草は茎が太く、力を感じる。刈り込んでいけば同じようになるのか・・・
草刈り後は新聞のコラムの転記、日記を書き、本を読み過ごす。今日の本は「司馬遼太郎が考えたこと12」盆に帰広する際に置き忘れた本である。これはこれではじめから難しい内容で始まる。
取留めもなく家室の日々が終わる。私にとっては充電時間であり、気分転換であるが・・・。