okikamuro island fan club, 沖家室島ファンクラブ|Kamuro party かむろ会

山田 実

山田 実

広島かむろ会会長


エッセー

かむろ日記Ⅲ-2024家室の盆の素描

山田 実  2024/08/29 投稿


 2024家室の盆の素描。


 私の家室の盆は13日の棚経に始まり、16日の流灌頂で終わる。


 棚経は軒下に飾った精霊様をお寺さんがお経を上げに回り、流灌頂は精霊様を飾った品々を塔婆で飾った小舟に乗せ送り出す。


 盆の準備をするために12日に奥さんの実家の仏壇に手を合わせ、食料品を購入して帰島する。 精霊様の飾り付け、仏壇周りを盆仕様に飾り13日を迎える。


 13日棚経のが終わると墓参りを行う。先祖、同級生の墓を回り階段を降りると、棚経の声は昔の郵便局の方から聞こえた。「盆には沈む島」と言われたこを思うと隔世の感がある。南海トラフ危険情報、台風、暑さの影響で帰省人もする人も少ないのか・・・夕方散歩に出る。「関西かむろ会」のEさん兄弟家族が家の前の船着き場にテントを張り話し合っている。これが家室の盆の原風景かと頭を過ぎる。少し言葉を交わし別れる。「かむろ日記」の話も出て少しうれしかった。


 14日家室の朝は早い、6時のチャイムが鳴り終わると即、会場設営の案内の放送がある。直後に家を出て会場に着くともう数人が作業を開始していた。各自がそれぞれ思い思いに作業を行い2時間余りたてば何とか形になる。ビールやジュースで労をねぎらい雑談となる、私のようにたまに帰島する人間にとっては貴重な情報の場となる。


 20時踊りが始まる時間に合わせ会場に行く。


 今年は昨年とは様変わりをしていた。「かむろ音頭」より「大島音頭」の方が弾んでいた。これも時代の流れか・・・。「かむろ音頭」を何周か踊り、会場をあとにする。


 15日は家族が墓参りに帰島、昼食を共にして、奥さんの実家の墓参りに・・・。私はウイスキーを生ハムとブドウを肴に本を出し、海を見ながら飲み始める。本はプレジデントの「どうせ死ぬのになぜ生きるのか」養生孟司氏と名越康文氏の対談。海を見ると遊漁船と思われる船が潮の流れに任せ釣りをしているのが見える。昔を思い出す。奥さんと妹の子を乗せこの海で釣りをした。ギザミが入れ食いとなり私は2人の魚を外し餌を付け海に投げるのみで終わる。きれいな魚が釣れたものだが、今は海も変わっているのであろう。


今日も夕方散歩に出る。台風7号の影響で離島した人もあるのか車が一段と減っていた。久しぶりに会った人もいて短い会話をして別れた。


 夜、昔のアルバムを出し、半世紀前の盆の仮装の写真を懐かしむ。二十歳過ぎだから当然ではあるが皆いい顔をしている。女の人ははちきれるような美しさをもっている。こんな時代もあったのだ。亡くなった人、時代の流れに足を掬われ連絡が取れない人もいるが、皆それぞれ時代の流れにあがらいながらも必死に生きてきたのであろう・・・。少々飲み過ぎる。遠くに「かむろ音頭」を聞きながら眠りにつく。


 5時30分過ぎに精霊様を降ろし飾り物を新聞に巻き流灌頂に乗せる。お寺さんが来るまでの時間墓参りを行う。盆の終わりの見送りを行う。6時20分からお経が始まり、出てく船を見送る。帰宅後、提灯をしまい、内敷をしまい普段の状態に戻す。暑い5日間であった。


今年も2/3が過ぎようとしている。次の帰島は彼岸あたりか・・・9時前、島を離れる。


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